解体業・破砕業について
解体とは「使用済自動車からエンジン等の主要な部品を分離すること」です。ただし、カーステレオやカーナビ等の付属品を分離することは解体とはみなされません。
破砕前処理とは「解体自動車(使用済自動車から主要な部品を分離した後の廃車ガラ)をプレス機、ニブラやギロチンを用いてプレス又はせん断作業を行うこと」です。
破砕とは「解体自動車を破砕機(シュレッダー機)を用いて破砕すること」です。
破砕前処理(プレス又はせん断)を行う方は破砕業の許可が必要となります。(法67条、規則2条)
複数の種類の事業を行う場合は、それぞれの許可が必要です。(例:解体業者で廃車ガラのプレス又はせん断作業を併せて行う場合には、解体業の許可に加えて破砕業(破砕前処理)の許可も必要になります。)
自動車リサイクル法の許可業者が、使用済自動車の解体や破砕を行う場合は廃棄物処理法の業の許可は不要です。ただし、使用済自動車又は解体自動車の収集・運搬、解体又は破砕にあたっては廃棄物処理法に基づく廃棄物処理基準に従わなければなりません。(法122条)
次工程への使用済自動車等の運搬を他者(次工程の解体・破砕業者を除く)に委託して行う場合には、廃棄物処理法の収集運搬業の許可を有する事業者に委託しなければなりません。(法122条)
許可の手続き
使用済自動車等の解体または破砕を行う方は、解体または破砕を行う事業所所在地を管轄する都道府県知事又は保健所設置市の市長の許可を受けることが必要となります。(法 60 条、67 条)
大阪府の場合は、大阪府知事、大阪市長、堺市長、豊中市長、高槻市長、枚方市長、八尾市長、寝屋川市長、東大阪市長となります。例えば、大阪市内と堺市内に事業所をお持ちの場合、大阪市長及び堺市長へ申請する必要があります。
施設に係る基準
(1)引き取った使用済自動車を解体するまでの間、保管するための施設
囲いの構造、高さ、材質等に規定はありませんが、外部からの侵入を防止するとの観点から、容易に乗り越え、くぐり抜け、移動し、または倒壊しやすいものであってはならず、出入口に施錠等が可能なものが必要です。
保管に先立ち使用済自動車から廃油及び廃液を回収することその他廃油及び廃液の漏出を防止するために必要な措置が講じられることが標準作業書の記載から明らかな場合の例としては、直ちに解体作業場に搬入することで保管場所に代えることがあります。
床面を鉄筋コンクリート舗装することと同等の措置としては、無筋コンクリートで舗装し、その上に鉄板を敷設する等の措置が考えられます。
(2)使用済自動車又は解体自動車を解体するための施設
(ア)燃料採取場所
床面を鉄筋コンクリート舗装することと同等の措置としては、無筋コンクリートで舗装し、その上に鉄板を敷設する等の措置が考えられます。
排水溝に接続するためます等については、必ずしも専用のものを設ける必要はなく、解体作業場の排水を処理するために設けた油水分離装置と共用することも可能ですが、油水分離装置と共用する場合であって、燃料抜取場所に屋根等が設置されていない場合には、そこに降る雨水の量も勘案して油水分離装置の能力を定めることが必要です。
※油水分離装置の能力は、各行政庁にお問い合わせください。
燃料又は廃油を一定量(指定数量)以上保管する場合には、消防法により、市町村長等の許可を受けた危険物施設以外の場所で貯蔵・取扱いを行ってはならないとされています。また、危険物施設における貯蔵・取扱いの技術上の基準が定められています。詳しくは、作業場所轄の消防署へお問い合わせください。
(イ)解体作業場
床面を鉄筋コンクリート舗装するのと同等の措置としては、無筋コンクリートで舗装し、その上に鉄板を敷設する等の措置が考えられます。
「解体作業場の構造上廃油が事業所から流出するおそれが少ない」(*1)構造としては、以下の条件を満たす場合が考えられます。
・横殴りの雨でも侵入を防ぐことができる屋根及び壁等が設けられていること。
・周囲から解体作業場内に水が流れ込まない構造であること。
また「廃油の事業所からの流出を防止するために必要な措置が講じられることが標準作業書の記載から明らかな場合」とは、標準作業書において、
・万一廃油、廃液が床に漏出した場合には布等で速やかに拭き取ること。
・解体作業場の清掃に水を用いないこと。
等が示されている場合があります。
屋根等の設備は、作業を円滑に進めるためにも効果があるものであり、十分な能力を有する油水分離装置を設置すること等により屋根等の設置に代えることができるのは、土地利用規制等により屋根等の設置が著しく困難な場合に限られ、経済的な理由によっては屋根等の設置が著しく困難とは認められません。
(*1)規則57条
(3)廃油の事業所からの流出を防止するため、油水分離装置及びこれに接続している排水溝が設けられていること。
ただし、解体作業場の構造上廃油が事業所から流出するおそれが少なく、かつ、廃油の事業所からの流出を防止するために必要な措置が講じられることが標準作業書の記載から明らかな場合は、この限りでない。
(ウ)部品保管場所
保管設備としては、床面を鉄筋コンクリート舗装等した専用の倉庫が考えられますが、例えば使用済トラックから取り外した幌付き荷台や、屋根がある場所に備え付けた鋼製の受け皿等であっても、十分な地下浸透防止機能が確認されているものであれば、これを使用しても結構です。
(3)解体自動車(解体した後に残る廃車ガラ)を保管するための施設
引き取った使用済自動車を保管するための施設と同様
(4)解体自動車を破砕前処理又は破砕するまでの間保管するための施設
引き取った使用済自動車を保管するための施設と同様
(5)破砕前処理施設(プレス又はせん断のための施設)
解体自動車の圧縮(プレス)又はせん断施設は、一般に廃棄物処理法に基づく都道府県知事等の許可が必要な産業廃棄物処理施設には該当しませんが、当該施設での圧縮(プレス)又はせん断について廃棄物処理法の処理基準が適用されることから、処理基準を遵守できるよう、廃棄物の飛散・流出、騒音・振動の発生による生活環境保全上の支障が生じないような措置を講じた施設であることが必要です。
(6)破砕施設(シュレッダーマシン)
自動車リサイクル法では解体自動車は廃棄物として扱うこととされており、その材質等からみて産業廃棄物に該当します。解体自動車の破砕に用いられる施設は、通常1日当たりの廃プラスチック類の破砕能力が5トン以上の規模であり、廃棄物処理法第15条第1項に基づき都道府県知事等の許可が必要な産業廃棄物処理施設に該当します。
破砕施設の1日当たりの処理能力が5トン未満の場合には、廃棄物処理法第15条第1項に基づく都道府県知事等の施設設置許可は必要とはされませんが、当該施設での破砕処理について廃棄物処理法の処理基準が適用されることから、処理基準を遵守できるよう廃棄物の飛散・流出、騒音・振動の発生による生活環境保全上の支障が生じないような措置を講じた施設であることが必要です。
(7)自動車破砕残さ(シュレッダーダスト)の保管施設
床面を鉄筋コンクリート舗装することと同等の措置としては、無筋コンクリートで舗装し、その上に鉄板を敷設する等の措置が考えられます。
発生する汚水を回収し循環使用している場合がありますが、これは「汚水が事業所から流出するおそれがある場合」に該当しないと考えられます。
「側壁その他の設備」としては、側壁以外にはコンテナ等が考えられます。
一般に自動車破砕残さ(シュレッダーダスト)は発火のおそれがあることから、適切な火災予防にも配慮する必要があります。
解体業・破砕業の新規(更新)必要書類
- 申請書
- 誓約書
- 解体業又は破砕業の用に供する施設の構造を明らかにする図面、設計計算書、付近の見取図
- 施設の所有又は使用権原を有することを証する書面
- 事業計画書及び収支見積書
- 標準作業書
- (解体業又は破砕業許可証)
- 委任状
- 定款又は寄付行為
- 法人の登記簿謄本
- 住民票
- 登記事項証明書
(引用元:解体業・破砕業許可の手引き)