建設業・運送業に限らず、お困りごとは大阪府寝屋川市の行政書士堀内法務事務所へご相談ください!

 

【行政書士が解説】特殊車両通行許可申請の実践ガイド:書類作成、軌跡図、そして行政書士の役割

 

前回の記事では、特殊車両通行許可申請の基本的な概念や、なぜこの許可が不可欠なのか、そして申請にはどのような種類と分類があるのかを解説しました。今回は、さらに踏み込んで、具体的な申請書類の作成要領、特に専門知識が求められる「軌跡図」の必要性、審査の流れ、そして当事務所のような行政書士に申請を依頼するメリットについて、実践的な視点から詳しくご説明します。


3. 複雑な申請書類の作成要領と提出のポイント

特殊車両通行許可申請は、非常に多くの書類と正確な情報入力が求められます。細部にわたる確認作業が必要であり、不備があると審査が滞り、許可取得までに想定以上の時間がかかることがあります。

3-1. 申請書の中核:特殊車両通行許可・認定申請書

この申請書が、全ての申請の中心となります。記載事項は多岐にわたりますが、特に以下の項目は正確性が命です。

  • 申請者情報: 会社名(個人事業主の場合は氏名)、住所、代表者名、連絡先などを漏れなく記載します。
  • 車両情報: ここが最も重要かつ複雑な部分です。
    • 車両種別: トラクタ、トレーラ、単車、重ダンプなど、該当するものを選択。
    • 積載貨物の概要: 具体的に何を積載するかを記載。特殊な貨物の場合はその詳細も。
    • 連結状態: トラクタとトレーラの組み合わせなど、正確な連結状態を記載。
    • 寸法: 車両の全幅、全長、全高をミリメートル単位で正確に記載。積載物がある場合はその状態での寸法。
    • 重量: 総重量、軸重、輪荷重をキログラム単位で正確に記載。空車時と積載時(最大積載時)の両方を把握しておく必要があります。
  • 通行経路: 出発地から目的地まで、具体的にどの道路を通行するのかを記載します。詳細な経路は「通行経路表」と「通行経路図」で示しますが、申請書にはその概要を記述します。
  • 通行期間: 許可を希望する期間を記載します。包括申請の場合は最長2年まで設定可能です。

3-2. 付属書類:車両内訳書、通行経路表、通行経路図

申請書だけでは伝わらない詳細な情報を補完するために、以下の付属書類が不可欠です。

  • 車両内訳書:
    • 申請する全ての車両について、車輪数、タイヤサイズ、軸距、隣接軸距、軸重、輪荷重、最小回転半径など、詳細な諸元を記載します。
    • 車種によっては、車両の構造図やメーカーが発行する諸元表、車検証の写しなども添付が求められることがあります。
    • この情報は審査の基礎となるため、誤りがないよう細心の注意を払って作成する必要があります。
  • 通行経路表:
    • 申請経路の出発地から目的地まで、通過する全ての道路を、その起点と終点、道路の種類(国道、都道府県道など)、道路管理者(国土交通省、都道府県など)と共に時系列で詳細に記述します。
    • 交差点名、主要な目印、インターチェンジ名、ジャンクション名などを具体的に記載し、第三者が見ても迷わず経路を特定できるようにします。経路の枝番なども正確に記載しましょう。
    • 包括申請の場合は、通行を予定する全ての区間を網羅的に記載する必要があります。
  • 通行経路図:
    • 通行経路表に記載した経路を、地図上に分かりやすく表示したものです。
    • 一般的な市販の地図、またはインターネット上の地図サービスなどを利用して作成します。
    • 出発地、目的地、主要な経由地、そして通行する全ての道路を明確に色分けするなどして示します。
    • 縮尺を明記し、必要に応じて詳細図や拡大図を添付すると、より分かりやすくなります。

3-3. その他の必要書類と「軌跡図」について

上記以外にも、申請内容や車両の特性に応じて以下の書類が必要となる場合があります。

  • 車検証の写し: 車両の登録情報や保安基準適合状況を確認するために必要です。
  • 積載しようとする貨物の概要がわかる資料: 特殊な貨物の場合、そのサイズ、形状、重量などがわかる図面や写真。
  • 通行予定表: 包括申請の場合、運行計画を具体的に示す資料。
  • 車両の写真: 特に特殊な形状の車両の場合、複数方向から撮影した写真。
  • 運行管理体制に関する資料: 安全な運行を確保するための体制を示す資料。
  • 委任状: 行政書士など、代理人が申請を行う場合に必要。
  • 軌跡図(軌跡計算図):
    • 特定の大型車両や、交差点での通行が懸念される経路の場合に提出を求められることがあります。
    • 特に、幅3.5メートル、長さ20メートル、最遠軸距16メートルを超える車両については、必ず提出を求められるケースが多いです。
    • この図は、車両が交差点などを曲がる際に、どの程度の旋回空間が必要かをシミュレーションしたものです。出発地から目的地までの全経路において、車両が実際に通行する際に、道路からはみ出さないか、他の交通に著しい支障を与えないかなどを確認するために用いられます。
    • 出入口の位置、付近の交差点番号、車両の進行ルートなどを図示し、車両が安全に通行できることを示します。必要に応じて「荷姿図」と共に添付することもあります。
    • 通常は専門のソフトウェアを用いて作成され、正確な縮尺(例:1/500)で、車両の動きを詳細に表現する必要があります。
  • その他、許可庁が求める資料: 審査の過程で、追加資料の提出を求められることもあります。

書類作成全般のポイント:

  • 徹底した正確性: 寸法、重量、経路の記載など、一つでも誤りがあると、審査に遅れが生じたり、最悪の場合、不許可となる可能性もあります。
  • 整合性の確保: 申請書、車両内訳書、通行経路表、通行経路図、そして軌跡図などの全ての書類間で記載内容に矛盾がないことを何度も確認しましょう。
  • 分かりやすさの追求: 審査担当者が迅速かつ正確に内容を把握できるよう、明確な表記と整理されたレイアウトを心がけてください。

4. 審査の種類と許可までの流れ

申請された書類は、国土交通省の各地方整備局や、一部の都道府県が設置する道路管理者によって審査されます。審査には主に「普通審査」と「電算審査」の2種類があります。

  • 普通審査: 申請経路に、未整備の道路区間、特殊な構造の橋梁やトンネル、あるいは特殊な交差点などが含まれる場合や、車両の寸法・重量が特に大きい場合に行われる詳細な審査です。個別の道路管理者や専門家による検討が必要となるため、比較的審査に時間がかかります。
  • 電算審査: 申請経路が、国が整備している「指定道路」網の範囲内で、車両の寸法・重量が比較的標準的な特殊車両の場合に適用される審査です。コンピューターシステムが通行可否を自動的に判断するため、普通審査に比べて短期間で結果が出ます。

審査が完了し、許可が下りると「特殊車両通行許可証」が交付されます。この許可証は、常に車両に備え付けておく必要があります。

5. 行政書士に依頼するメリット

特殊車両通行許可申請は、その複雑さと専門性から、事業者様にとって大きな負担となることがあります。そこで、行政書士に依頼するメリットは計り知れません。

  • 正確かつ迅速な申請: 申請書類の作成には専門知識と経験が必要です。行政書士は、これらの知識と経験を活かし、ミスなく正確な書類を作成します。これにより、不備による差し戻しを防ぎ、スムーズな許可取得が期待できます。特に軌跡図のような専門的な図面作成の要否判断や準備についてもサポートが可能です。
  • 煩雑な手続きからの解放: 申請書の作成、付属書類の準備、管轄官庁とのやり取り、オンライン申請システムの操作など、多岐にわたる手続きを全て代行します。これにより、事業者様は本来の業務に集中できます。
  • 専門家による適切なアドバイス: 申請経路の選定、車両諸元の確認、通行条件の解釈など、専門的な知識が求められる場面で的確なアドバイスを提供します。特に、複雑な経路や特殊な車両の場合、適切なアドバイスは許可取得の成否を分けます。
  • 時間とコストの削減: 一見、行政書士への報酬が発生するためコストが増えるように見えますが、不備による再申請の手間や、許可取得の遅れによる事業機会の損失などを考慮すると、結果的に時間とコストの削減につながるケースがほとんどです。
  • 最新情報への対応: 法令改正や運用変更など、特殊車両通行許可に関する最新情報を常に把握しており、申請に適切に反映させることができます。

最後に

特殊車両通行許可は、安全な物流と社会インフラの保護に不可欠な制度です。この許可なく特殊車両を通行させることは、事業者にとって非常に大きなリスクを伴います。

もしご自身の車両が特殊車両に該当するのか分からない、申請手続きが複雑で困っている、あるいは迅速に許可を取得したいとお考えでしたら、ぜひ一度、特殊車両通行許可申請の専門家である行政書士にご相談ください。

当事務所では、運送事業者様や建設事業者様の円滑な事業活動をサポートするため、特殊車両通行許可申請に関するご相談から申請代行まで、きめ細やかなサービスを提供しております。まずはお気軽にお問い合わせください。

 

お気軽に、ご相談・ご依頼くださいませ

 

関連記事

  1. 【速報】貨物自動車運送事業法が改正!トラック新法で何が変わる?行…
  2. 【運送業の肝】一般貨物運送事業許可後の効果的な巡回指導対策と行政…
  3. 点呼の実施と記録|大阪の運送業許可に特化した行政書士 点呼の実施と記録
  4. 運送業(一般貨物自動車運送事業)に使用できるトラックの種類は?
  5. 自動車運送事業の規制強化について
  6. 【重要】一般貨物運送事業許可の「車庫」と「休憩・睡眠施設」要件を…
  7. 運輸局はなぜコンプライアンス遵守にうるさいのか?
  8. 運送業の許可要件項目

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

PAGE TOP

寝屋川市の行政書士 堀内法務事務所では、建設業・運送業の許可申請を得意としてます。
その他にも飲食店営業許可・風俗営業許可・自動車登録・改葬許可・任意後見業務・産廃収集運搬業許可・遺言書作成及び執行など、様々な業務を取り扱っております。
個人さま、事業者さまを問わず様々なご依頼に対応しております。
ご依頼、ご相談は寝屋川市の行政書士 堀内法務事務所へお願いいたします!
相談料無料です。まずは、お気軽にお問い合わせくださいませ!