行政書士 堀内法務事務所

 

一般貨物自動車運送事業（以下、一般貨物運送事業）の許可を取得したら、それで終わりではありません。運送事業を営む上で避けて通れないのが、定期的に実施される「巡回指導」です。

「巡回指導って何？」「何をチェックされるの？」「行政書士に依頼する必要があるの？」

初めての事業者様にとって、巡回指導は不安要素の一つかもしれません。しかし、これは運送事業の健全な運営を維持し、さらなる発展を目指す上で非常に重要な機会です。当事務所は、大阪の多くの運送事業者様の巡回指導対策をサポートしてきました。この記事では、行政書士の視点から巡回指導の目的、チェック項目、そして効果的な対策について詳しく解説します。

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1. 巡回指導とは？その目的は？

巡回指導は、国土交通省の委託を受けた地方運輸局（または指定機関）が、事業者の営業所を訪問し、法令遵守状況や運行管理、車両整備、労働時間管理などの実態を確認するものです。

その主な目的は以下の通りです。

• 法令遵守の確認: 貨物自動車運送事業法、労働基準法、道路運送車両法など、運送事業に関連する法令が遵守されているかを確認します。
• 安全・適正な運行の確保: ドライバーの労働時間管理、健康状態、車両の点検整備状況などが適切に行われているかを確認し、事故防止に繋げます。
• 事業者の育成・指導: 軽微な違反に対しては改善指導を行い、事業者が適切に事業を運営できるようサポートします。

巡回指導の結果は点数化され、その結果によって、今後の行政処分（改善命令、事業停止、許可取り消しなど）の可能性が判断されることもあります。特に、初回の巡回指導は、事業のスタートラインでの体制を確認する意味合いが強く、重要です。

2. 巡回指導の主なチェック項目

巡回指導では、多岐にわたる項目がチェックされます。主なものは以下の通りです。

• 運行管理関係:
  • 運行管理者選任届の有無と実態
  • 点呼の実施記録（対面、IT点呼など）
  • 乗務記録（運転日報）の記載内容と保管状況
  • 運行指示書の作成・携行状況
  • 事故報告、ヒヤリハット報告の有無と対応
• 車両管理・整備関係:
  • 整備管理者選任届の有無と実態
  • 日常点検、定期点検の実施記録
  • 車両台帳、車検証、自賠責保険証などの管理状況
  • タイヤ、灯火類などの車両状態
• 労働時間・健康管理関係:
  • 労働時間、休憩時間、休息期間の遵守状況
  • 労働時間の管理記録（タイムカード、運行記録計など）
  • 健康診断の実施状況と結果の保管
  • 過労運転防止対策
• その他:
  • 事業計画変更届出の有無（役員変更、増車、営業所移転など）
  • 運賃・料金表の掲示
  • 各種帳簿書類の保管状況

3. 効果的な巡回指導対策と行政書士の役割

巡回指導で高評価を得るためには、日頃からの継続的な法令遵守と管理体制の構築が不可欠です。

• 日頃からの記録・整備: 運行日報、点呼記録、点検記録などは、毎日・毎回の記録が重要です。形式的に記入するだけでなく、実態に即した記録を心がけましょう。
• 帳票類の整理・保管: 指導時にすぐに提示できるよう、必要な帳票類はきちんと整理し、保管場所を明確にしておきましょう。
• 法令知識の定期的な確認: 法改正や通知があるたびに、最新の情報を確認し、自社の運用に反映させましょう。
• 社内体制の構築: 運行管理者、整備管理者、ドライバー全員が法令遵守の意識を持ち、役割を理解して業務にあたることが重要です。

行政書士は、巡回指導対策の強力なパートナーです。

• 事前シミュレーション: 実際に巡回指導でチェックされる項目に基づき、貴社の現状を事前にチェックし、改善点を指摘します。
• 帳票類の整備支援: 必要な帳票類の様式や記載方法についてアドバイスし、整備をサポートします。
• 法令知識の提供: 最新の法令情報や、過去の指導事例に基づいたアドバイスを提供します。
• 適切なアドバイス: 指導員からの質問に対する適切な回答方法や、指摘事項への対応策を助言します。

巡回指導は、貴社の運送事業をより盤石なものにするための機会です。不安を抱えながら当日を迎えるのではなく、事前に専門家と対策を講じることで、安心して指導に臨むことができます。

当事務所では、大阪の運送事業者様向けに、巡回指導対策のコンサルティングから、各種変更手続き、事業報告書作成まで、トータルでサポートいたします。お気軽にご相談ください。

 

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